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January 04, 2009

吟遊詩人ビードルの物語

 ハリー・ポッターと死の秘宝の中でダンブルドアがハーマイオニーに与えた魔法界の御伽噺。シリーズは一応完結しているので、どうしても必要の書というわけではないけれど名残惜しさも手伝って購入。中身は子ども向けに書かれた5つの物語なんですが・・・ 

 子ども向きにしては皮肉たっぷりで可愛くないお話しばかりです。

 魔法使いとポンポン跳ぶポットはいかにもイギリスの民話っぽい雰囲気の話ですが、後味は悪いです。マグルや弱い者に優しい父親と異なり息子は自分中心の魔法使い。村の人達が助けを求めても知らん振り。すると父の遺品のポットがぴょんぴょん音を立てながら息子に煩くつきまとう。息子はこのポットには魔法をかけることができず、最後は降参して人々のために魔法を使うという一見ハッピーエンドに終わる話。
 ただ、読んでいてなんかすっきりしない。慈悲の心っていうのは本来自然と沸いてくるから価値がある。脅かされて仕方なく施しをしたところであまり意味がないんじゃないか?それからこの話に出てくるpotは何故かポットと訳されている。鍋としたほうが自然なんじゃないかと思う。ポットというと日本語では魔法瓶のようなお湯を保存するものを連想してしまう。

 豊かな幸運の泉は5つの作品中一番好感が持てる話。ただ最後のオチは軽くアイロニーあふれ笑える。

 毛だらけ心臓の魔法戦士はかなりグロテスクで、ちょっと子ども向けとうのに疑問符がつく。ダンブルドアの解説では児童書編集者たちから故意にこの話を削られて編集されてきたといういわくが付いている。日本でも物事に動じない人のことを「心臓に毛が生えてる」と言うがイギリスでもそういう表現をするらしい。それともそもそも英語のイディオムが素になっているのかもしれない。

 バビティ兎ちゃんとペチャクチャ切り株は御伽噺っぽい色彩の強い話。これは魔法界版はだかの王様といった感じでおもしろいが、あまりすっきりとしない。よくはわからないが。

 ハリー・ポッターと死の秘宝の中にも出てきた三人の兄妹の物語は物語として最もまとまっている。暗いストーリーではあるが一応起承転結も納得できる。この話を本にするために強引にあと4つの話をくっつけて感がある。

 しかしJKLもしたたかだなあ。シリーズひととおり終わらせておいて作中作品を世に出してしまう。ストーリ自体は短い話だけど、ダンブルドアの解説をつけ更にJKLの訳注をつけたりして真実味を出している。ただ、どうしても手を抜いてる感じが否めない。それからハリー・ポッターがこの人の表の顔だとしたら、この本は裏の顔なんじゃないか?という気がする。

 それから解説の中でダンブルドアは弟のアバーフォースは汚れたヤギのブツブツ君がお気に入りだとか、ここには書いていない物語のタイトルをいくつか書いている。もしこの本が売れたら大2弾を発売すり気なんだろうか?・・・やっぱりしたたかだなあ。でも私は次は買うかどうかはわからない。



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Comments

殆ど日本語版が同時でしたが、英語版を買ってしまったために結構時間がかかって読みました。
ハリー・ポッターの世界が広がるといえば広がりますよね。
ダンブルドアの解説ということで、魔法界の諸事情や魔法の歴史などについて詳しくということで、久々にハリーの世界のことを考えました。

でも、ハリーが結婚して子どももいて、というかなりの部分を作者からネタばれされてしまったことで、こうなのかも、ああなのかも、という楽しみはほぼなくなったようにも感じます。
あとは神秘部のベールって何なのだろう?というところくらいかもしれません。
「汚れたヤギのブツブツ君」がここに掲載されてなかったということは、ビードルもその後に物語を増やしていったのかもしれませんね。

ローリングさんには次回は全く違うお話を書いてもらいたい気がします。どんなものになるのだろう?と。番外編ばかりだと食傷気味になります。

Posted by: kmy | February 01, 2009 at 11:15 AM

確かに番外編ばかりだと食傷気味ですね。「クィディッチ」も「魔法生物」も読みましたが、どちらもそれだけで完成された作品とは言いがたいものでした。でもハリーの付録としては楽しめたと思います。

今回ははからずも「おはなし」だったので多少期待したのですが、期待はずれでした。独立した本としても魅力はいまいちです。

ハリーのシリーズを広げるとしたらリリーやジェームズの学生時代とか、もっと遡ってヴォルデモード以前の極悪人VSダンブルドアみたいなものがいいですかね。ハリーの子どもたちでもいいんだけど、やっぱりヴォルデモードに匹敵する悪党は用意してほしいな。

いや、逆に単なる青春学園ドラマでもいいのかもしれない。5話あたりからクローズアップされた対ヴォルデモード路線は割と疲れたから。 

Posted by: ぴぐもん | February 01, 2009 at 09:21 PM

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