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April 06, 2008

あした、がっこうへいくんだよ~デビュー前夜の興奮

 今の季節にぴったりの絵本を見つけました。自分自身はあまり経験がないのですが、うちの息子が小さい時は明日遠足・・・なんていうと「楽しみで楽しみで眠れなくなっちゃう!」といった有様。このお話の男の子も学校がはじまる前の夜をそわそわと過ごします。

 男の子にはクマのぬいぐるみウィリーがいて、ウィリーに「あした、学校へ行くんだよ。だから早く寝なさい」とまるでおにいさんのように話しかけます。最初はキミ(クマ)が学校へ行くんだというように話しているのですが、次第にボクがキミの代わりに学校へ行くと話が摩り替わってきます。

 本当は自分が学校へ行かなければならないのに・・・もしかしたら、ちょっぴり不安なのかもしれません。だから自分の役割をクマさんに押し付けたりして・・・でも、ちょっぴり楽しみでもあるんでしょうね。だから結局最後はボクが行くという形に話は収まります。

 明日は学校へ行くんだから、もうおにいさんになるんだから、早く寝なくちゃいけない、灯りを消して一人で寝なくちゃいけない。自分でわかっていながら、やっぱり少し不安。そこでクマさんのせいにして「キミがさびしいからボクが一緒に寝てあげる」とクマさんをベッドに入れるところはなんとも可愛らしい。

 せたていじさんの訳はことばがやわらかくて、とても心地いいんだけど最後の一行がやや疑問。原文がなんて書いてあるのかはわからないけど、翌朝目覚めたボクがウィリーに向かって
「さようなら、ウィリー!」
と言って学校へ出かける。おそらく原文は"Good bye,Willie!"だったんじゃないかと思う。だとしたら
「行って来ます、ウィリー!」
としたほうが自然じゃないかなと思う。それとももしかしてボクのクマさんとの決別、幼児期との決別を意味して敢えて「さようなら」にしたのかしら?少し疑問が残るエンディングでした。

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Comments

ぴぐもんさん、お久しぶりです。
とてもかわいいお話ですね。
図書館で捜してみます。
エンディングですが、話を知らないわたしも、幼児期の決別として あえて「さようなら」だったのでは・・と思います。
人生の中の区切りで、ちゃんと「さようなら」がいえるのは、すばらしいことですよね。

話は変わりますが、石井桃子さんが永眠されましたね。
101歳とのことなので、よろこばしい事と思えばいいんでしょうかねぇ。

Posted by: noel | April 07, 2008 at 12:03 AM

noelさん、こんにちわ
やっぱり、敢えて「さようなら」なんですかね。
瀬田貞二さんが初歩的な誤訳をするとは思えないし・・・
ただ、私が訳すんだったら「行って来ます」かなって気もします。

石井桃子さん、101歳だったんですか?それは知りませんでした。ああいう やわらかい日本語を書ける人って今じゃあまりいらっしゃらないですよね。練習してできるわけじゃないし、やっぱり貴重な方をなくされましたね。

Posted by: ぴぐもん | April 08, 2008 at 04:21 PM

What's up i am kavin, its my first time to commenting anywhere, when i read this article i thought i could also make comment due to this sensible piece of writing.

Posted by: bunk beds | October 20, 2013 at 12:08 PM

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