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April 11, 2008

ルリユールおじさん~憬れのパリの街並

 まず読み終わった直後に思ったのは、私はこの本を読み聞かせ会では採用しないだろうと。この本からを取り上げてしまい文章を語るだけにしたら、おそらく他愛のないおはなしになってしまったろう。特に小さい頃から聴覚的におはなしを楽しんできた私には物足りなさは否めない。

 ある人の書評によるとまるで映画をみているみたい。確かにそんな感じもするが、私はどちらかというと吹き出しのないコミックという印象を受けた。

 アカシアの木が大好きな女の子ソフィーの大切な本が壊れてしまった。ソフィーは街の人からルリユールおじさんのところへ行くよう勧められる。ルリユールおじさんは製本の最初から最後まで全ての工程を熟知している職人さん。ソフィーがその本を大切に扱っていること、何度も何度も読み込んだことに感心して快く本を直してくれる。

 作業しているおじさんにソフィーは一所懸命アカシアの話などする。おじさんはおじさんで作業しながら本の修理工程の説明をする。ソフィーとおじさんのかみ合わない会話がなんともほほえましい。しかし、おじさんはまったくソフィーの話を聞いていないわけではない。それが証拠に本を休ませている間、ソフィーを大きなアカシアの木のある公園まで散歩に連れて行ってくれる。ソフィーもその場では反応しなかったものの、きっとおじさんの話を心のどこかで受け止めているのだろう。

 この絵本の魅力はなんといっても。文章度返しして絵を眺めているだけでもじゅうぶん楽しめる1冊。特にパリの街角の風景がいい。行ったことはないけれど、多くの人が頭の中に描くあこがれのパリの姿そのもの。

 私はどちらかというと物語の中の文章の良し悪し、ことばのリズム、語りの力などに重きを置いてみてしまうが、この本とかレイモンド・ブリックスの絵本みたいなで語りかける手法もひとつのメディア、ひとつのアートだと思っている。ことばで物語るものとは別物だとは思うが、これはこれで評価はする。

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