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May 11, 2007

映画:チャーリーとチョコレート工場

  最初に原書で Charlie and the Chocolate Factry を読んだ時あまりいい印象は受けなかった。ブラックユーモアがきつくて笑うに笑えない感じ。田村訳を読んだら、日本語の特性でか原書よりはまろやかな印象を与えたが、それでも世の中でもてはやされている気分にはならなかった。

  映画は隣でみている子どもが「かなりブラックだね」とはいったものの、こちらはエンターテイメントとして楽しめた。もともと映像やアニメに向いてる作品なのかもしれない。

 チャーリーをはじめとする5人の子ども達がキャラクターぴったりだった。原作に色をつけたのがいつもガムをかんでいるヴァイオレットを超負けず嫌いにして、テレビ好き少年マイク・ティービーをハイテク頭脳派少年にして、乱暴なところはそのまま残したところ。どちらも上手い脚色だと思った。

 逆にチグハグだったのがジョニー・デップのウォンカさん。原作ではウォンカさんは誰がなんといっても自分のやり方をまげない超然としたところがあるのに、ジョニー・デップのウォンカさんはなんだかナイーブ。いちいち子ども達や親達の反応を気にしている。世界屈指のお菓子メーカーの社長にしては可笑しな感じがした。

 東京の場面では、わかり易くセーラー服着た女子高生達が(今時あんなセーラー服ないだろうに)殺到していたのには笑えた。それからチョコレート工場にはじめて入ったところでまるでIt's a small world をパクったような人形の歌と踊りがあり、それが花火を浴びて溶け出すところは気持ち悪かった。

 工場の内部の様子はとても楽しそうだったが、ウンパ・ルンパが気色悪い。可愛らしい小人を想像していたので、そうきたか!という感じ。ただあのウンパ・ルンパ、インパクトはかなりあった。ウンパ・ルンパ の歌う音楽がいいなと思ったら、子ども達が言うには「みんな、なにかのパクリ」らしい。テレビで移動するチョコレートのところだけは2001年宇宙の旅のパクリだと私にもわかった。

 チャーリーの家族はお父さんもお母さんも、おじいさん・おばあさん達もなかなかはまっていた。原作ではジョーじいさん一人が目立っていたのに、ジョージじいさんがいい味を出していた。孫可愛さに常に孫の立場でものをみるジョーじいさんに対してジョージじいさんは現実的。チャーリーが生活苦を気にして金のカードを誰かに売ると言い出したとき、ジョージじいさんが「そんな二度とないチャンスを見過ごすのはトンマだ」と言った。現実的なジョージじいさんのことばだから余計に説得力があった。

 ブラックユーモアたっぷりで、ところどころグロテスクではあるが、本で読むほど後味の悪さはなく面白いと片付けられる映画でした。


 

 

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