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March 01, 2007

グリーシ~ケルトの幻想的ロマンス

 こちらも『イギリスとアイルランドの昔話』の中のひとつで、アイルランドのお話です。

 ある夜若者グリーシは妖精たちが集まっているところに出会わせました。妖精達と一緒にフランスまで行きちょうど城の婚礼の席に姿を消して参列します。その夜結婚させられるお姫様は望まない相手との結婚を悲しんでいました。それを知ってる小人の一人はお姫様を奪おうとします。小人はグリーシが人間なのでお姫様を馬で運べるため連れてきたのでした。

 お姫様を奪った妖精一向はアイルランドに戻ります。グリーシはお姫様が小人のものになってしまうのが気の毒に思い自分が連れて逃げます。怒った小人は呪いをかけ、お姫様は話すことが出来なくなってしまいます。司祭さまのところに身を寄せたお姫様の元にグリーシは毎日尋ね、いつしか二人の間に愛情が育まれます。

 ちょうど一年経った夜、グリーシは妖精が集まっていたところに行ってみます。妖精たちはグリーシのことを今でも怒ってます。それでも妖精がグリーシに言った悪口から呪いを解く方法をかぎつけ、お姫様は話が出来るようになり、その後二人は幸せに暮らしました。

 とてもロマンティックなお話ですね。現実的なイギリスに比べアイルランドの話には幻想的なものが多いように思われます。イギリスと一口にいってもイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国から出来ています。そのうちイングランドはアングロ・サクソン系、イングランドを除く3つの国はアイルランドと同じケルト系の人達で主に構成されています。

 ハリー・ポッターのJ.K.ローリングスさんはウェールズ出身。ナルニアのCSルイスはアイルランド人。ケルト系はファンタジーの宝庫ですね。

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おスだんなと、おスおくさん~ばか者を愛するイギリスの伝統

 福音館文庫から出ている『イギリスとアイルランドの昔話』はジェイコブズの昔話などを石井桃子さんが翻訳したもの。おなじみ三びきの子ブタジャックとマメの木などが載っている。石井桃子さんの日本語が簡潔でやさしくてそのまま子どもに読んであげられそうです。

 今回ピックアップするのは おスだんなと、おスおくさんという話。ジャックとマメの木のジャックや三人の愚か者と同じようなおばかな人達の物語。あらすじはこんなです。

 おスだんなと、おスおくさんはピクルスを漬けるガラスの瓶の中に住んでいました。毎日おスだんなはピクルスにする野菜を畑で作り、おスおくさんはガラス瓶の中をピカピカに磨いておりました。ある日おスおくさんがクモの巣を取り払おうとして箒の柄でガラス瓶を割ってしまいます。ワアワア泣きじゃくるおスおくさんをおスだんなはなだめ、働き口を探しに行こうと言います。家の中のものはどうするんだとおスおくさんが聞けば、おスだんなは戸を持っていけばあける戸がないから戸をあけて入ってこようとするの者はいないと言います。

 ひょんなことから泥棒の金貨を手にすることができた二人。おスおくさんはそのお金でウシを買ってミルクを絞ってバターを作り生計を立てようと提案します。おスだんなは言われるまま市場でウシを買ったのですが、風笛を吹いてる人に出会うと、バターを作るより風笛を吹くほうがらくに金が稼げると風笛とウシを取り替えてしまいます。ところがいざおスだんなが風笛を吹くと上手に吹けません。その後おスだんなは風笛を手袋と取り替え、その後は手袋と杖を取替え、最後は自分の間抜けさを笑いものにするカササギに杖を投げつけ杖までも手放してしまいます。

 まるで逆わらしべ長者ですね。イギリスの昔話には不思議とこんなばか者がよく登場します。ユーモアの国といわれるように自分がばかになって周りを和ますイギリス人の気質とイギリス人のばか者への愛情を感じます。

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