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February 05, 2007

せかいいちおいしいスープ~気持ちいい騙され方

 ずいぶん前にスーパーの中にあるベーカリーのパートをしていたことがあります。朝9時から午後1時までの半日パートでした。私より数ヶ月後にFさんという人が入ってきました。彼女は午後1時からのパートなので伝達するくらいの係わりしかありませんでしたが、ものすごく仕事熱心な方で見ていて清々しいくらいでした。

 以前は男性の正社員が主任として現場を管理してましたが、今ではリストラによって正社員の配置を解除してパートだけで現場をやりくりするようになったそうです。Fさんは中心となって主任代行として頑張って勤めています。

 私はお菓子を作るのが趣味なので、以前は家族の誕生日とクリスマスには必ず自分でケーキを焼いたものでした。ところがここ数年年末が忙しい仕事に就いたためFさんのところでクリスマスケーキを注文するようになりました。Fさんは熱心なうえ営業も上手いので頼まれると不思議と「この人になら騙されてあげよう」という気分になるんです。同じ職場に当然他の知り合いもいるんですが、他の人だったら体よく断ってしまったかもしれません。

 さて、今回紹介するお話はフランスの民話をマーシャ・ブラウンが描いた絵本。廃刊になっているようですが、私がラボ(英語教室)のテューター(先生)だった時ライブラリー(教材)として会員のみに販売されました。その年のサマー・キャンプのテーマもこのSTONE SOUPだったのでとても印象深い一冊です。

 お腹をすかせた兵隊が通りがかったある村で何か食べるものを分けてもらおうと村の人たちに頼むと、自分達の食べるものがなくなるのを懸念した村人は食べ物を隠して〈ない)と言い張ります。そこで兵隊達は石からスープを作ると言い出して・・・

 最初は警戒していた村人も兵隊達の話術に乗せられて次から次へと食材を提供していきます。そして具沢山のおいしいスープができあがります。まるで兵隊達がまんまと村人を騙したようにも見えるのですが・・・私が思うに村人達はスープを作っていく過程で嵌められたことにうすうす気がついていたんじゃないでしょうか。そして騙される課程を結構楽しんでいたんじゃないでしょうか。それこそ「この人たちに騙されてやろう」って。

 一方的に損をするような騙され方は後味悪いでしょうが、騙されたほうが楽しめるならそれはそれでいいのでは。気持ちよく騙されることもまた人間関係のひとつの醍醐味かもしれません。

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February 01, 2007

エドガー・アラン・クロウ~役に立つ喜び

 ターシャ・テューダー・クラッシックシリーズの中の1冊です。

 主役のカラスはその名もエドガー・アラン・クロウ。カラスのくせして生意気にもミドルネームがあるんですね。かのミステリーの大御所エドガー・アラン・ポーを連想させますが、こちらはミステリアスでも怖くもなくむしろちょっとズッコケた愛すべきカラスです。

 カラスの兄弟の一番末っ子に生まれたエドガー・アラン・クロウは、ある日人間の子どもに拾われて(巣から盗まれて)人間の家で飼われることになります。そこには4人の子どもの他にペット達がいっぱいの大所帯。一番後輩の彼はなんとかみんなの役に立とうとあれやこれやと手を打つのですが、やったことはすべて裏目にでてしまいます。たまたま近くにいた虫を食べたところ「虫を食べてくれた」と誉められ自分が役に立つことをひとつ発見できたエドガー・アラン・クロウでした。

 実際動物がどのように考えているのかはわかりませんが、小さな子どももおとうさんやおかあさんの役に立ちたいと願っているんです。でも お手伝い をしたはずが いたずら に受けとられてしまい、あれこれ繰り返すうちに お手伝い と いたずら の違いを体感していくんですね。

 私は野鳥を見るのはとても好きなんですが、家で鳥を飼おうとは思わないんです。特にカラスは怖いですから・・・ただこの絵本を見ているとエドガー・アラン・クロウはなんとも可愛らしいです。

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