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December 14, 2006

おばけものがたり

 小学校の1年生の時担任の I先生が読み聞かせしてくれたお話です。その時はこの本の一番最初の『タムタムおばけとジムジムおばけ』だけを話してもらいました。湖の底にいるおばけを釣るために餌にシュークリームをつけるというのが面白かったです。その当時シュークリームは高級なお菓子だったようです。でもシュークリームを水の中に入れたらふやけて食べられなくなっちゃうじゃない・・・って子ども心に可笑しかったですね。

 先日図書館で「復刻を望む本」のとして立原えりかのファンタジーランドが取り上げられていました。『タムタムおばけとジムジムおばけ』に続編があったことを初めて知りました。立原えりかの描くおばけは人間にそっくりですが、手が長かったり、足が2メートルくらいあったりして額(原文にはそう書いてありましたが頭といったほうがぴったり合うと思います)にツノがはえています。タムタムとジムジムは足長2本つのおばけというそうです。

 人間に追いやられて隠れながら暮らしているおばけ達がおばけだけの国を作ろうと動き出すことが全編通した主題でタムタムとジムジムのほかに時計台に隠れ住むカチカチおばけとガールフレンドのコチコチおばけ、年老いてほぼ隠遁生活をしている人間の音楽家をひょんなことから友達になったロムロムおばけとリムリムおばけの3組のカップルが中心になります。

 ふたりでなんとか南の島へ逃げることができたタムタムをジムジム。ところがジムジムは自分達だけが幸せに暮らすのは仲間に申し訳ない、みんなをこの島へ連れてこようと提案します。物語の前半は童話を読んでいるというより70年代の少女漫画をよんでいるような気分でした。そして個人的にどうもジムジムおばけが好きになれませんでした。大きな瞳をうるうるさせてすぐ泣くんですよ。どうもやたらと泣く女は苦手なんだけど後半ジムジムはかなり危険な任務に自ら志願して実行します。それで結構見直しましたね。

 このおばけ達はやたらに手足が長いことやつのがはえてる以外はほとんど人間と変わらない姿をしています。誰にも迷惑をかけずにひっそりと暮らしているのです。それなのに人間達はいたずらにおばけを怖がり、あるものは捕らえようとし、あるものは見世物にしようとします。またあるものはおばけに対して間違った情報を流して周りを混乱させます。

 人間は本来ほかの生き物と同じ自然の一部であったはずです。ところがちょっと智恵があったばっかりに自分達本意に地球を動かしてしまってます。ファンタジックなやさしい語り口とは裏腹にかなり痛烈な人間批判が見え隠れしています。


 

 
 

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Comments

おはようございます☆
シュークリームでおばけを釣るって本があったなぁ!って懐かしく思い出しました♪私もふやけちゃうよ~って気になってた子供だったので(笑)
シュークリームの情報しか記憶に無かったのですが、記事を読んで読み返してみたくなりました。本の題名も憶えてなかったくらいですが、そんな深い内容だったとは…

Posted by: ゆずしちみ | December 16, 2006 at 06:59 AM

ゆずしちみさん、コメントありがとうございます。それにしても早起きですね。
 私もシュークリームでおばけを釣る話としか記憶に残ってませんでした。少々説教臭いところもあって、やっぱりなんとなく70年代の「マーガレット」や「少女コミック」に通じるものがあります。私的には凄く好きな話ってわけじゃないけど、古き良き昭和を思い起こして懐かしくなりました。

Posted by: ぴぐもん | December 17, 2006 at 12:03 AM

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