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December 24, 2006

さむがりやのサンタ~働くおとうさんにエールを!

 あまりにも定番のクリスマス絵本なのに今まで読んだことがありませんでした。有名なものほどいつでも読めると後回しにしてしまう傾向があるようです。

 さて、もしあなたがサンタクロースに任命されたらどんな気がしますか?悪い気はしないでしょう。世界中の子ども達にプレゼントを届けるという夢があってやりがいのある仕事ができるし、世界中の人から慕われるという栄誉まで付いてきます。ところが当の本人はどう思っているでしょうか?

 確かに誰でもできるような仕事よりも選ばれた人しか出来ない仕事をするほうがやりがいは感じると思います。選ばれ方は資格だったり能力だったり時に運というのもあるでしょうが・・・サンタクロースでなくても人から信頼される仕事ができる人は羨ましいですよね。

 例えばお医者さんという職業は収入もいいし社会的信頼も得られるので最も羨ましがられる職業のひとつです。ところが当の本人がただ単に親の職業を継いだだけで仕事に夢もやりがいも感じないでいたなら、それはその人にとってシアワセかどうかわかりません。

 自分の仕事に夢を感じられることも羨ましい要因のひとつです。いやいや仕事をやってる人よりもはりきって勤めている人のほうが傍から見ても気持ちいいです。ただ現実にだれでも好きな仕事に就くことはできなくて、たいていしぶしぶ自分の務めをこなしているんです。

 このお話のサンタクロースも、生き生きとやりがいを持って栄誉ある勤めをはたしているわけじゃありません。やらなきゃならないからしぶしぶ働いているんです。サンタクロースの仕事は夢ばかりじゃありません。汚い煙突の中に入らなきゃならないのですっかり汚れてしまいます。年とったサンタクロースにとっては煙突を降りる作業は体力的にきついかもしれません。おまけに外は寒い。屋根から落ちて怪我をしてしまう可能性もある。結構3K労働ですね。

 たいていの人は仕事を選ぶときなにかしら自分の好きなことを選びます。勿論能力的に自分の好きな仕事を選べない人もいますが、運よく好きな仕事に就けた人でも長年同じことをやっていたら新鮮味もなくなり仕事にロマンも感じなくなってきます。ただただ日々の勤めをこなすのみ。それでも人間働かなければならない。

 サンタさんも「煙突なんてなければいいのに・・・」とぼやきながら任務をまっとうしています。途中、贈り物を届けた家に「サンタさんへ」とメモのついたお菓子やジュースが置いてあったり、中にはウィスキーが置いてあったりするのをこのサンタさんはちゃっかりご相伴に預かってしまいます。家に帰って自分に贈られたプレゼントを見て、ネクタイや靴下には閉口しながらブランデーには喜びます。

 サンタクロースの別名はファザー・クリスマス。サンタクロースは聖なる人でなく、案外こんな人間臭いおっさんなのかもしれない。夢ばかりじゃなく現実をコミカルに語ったなかなか筋のある絵本だと感心しました。そんなわけで今日はあくせく働くおとうさん達に感謝しようじゃありませんか。

 皆さん、よいクリスマスをお過ごしください。

 
 

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December 18, 2006

書名索引つけました

 最近こちらのブログにも新しい読者の方が増えてきました。嬉しい限りです。そこで過去ログの整理などしてみました。読み返してみると結構稚拙な文章もあり削除しようか迷いましたが、そのまま掲載します。もしもご批判などあれば素直に受けるつもりです。書名を あいうえお順に並べましたので検索しやすいと思います。最近このブログをお知りになった方、どうぞ時間が許す限りあなたの興味のある本を探してお読みになってください。

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December 14, 2006

書名索引

 あ  あお
    赤ずきん
    あした、がっこうへいくんだよ
    あらしのよるに
    うらしまたろう
    うんちっち
     エドガー・アラン・クロウ
    エレン物語
    おおきな木
    大きな森の小さな家
    おかあさんのたんじょう日
    おさる日記
    オズの魔法使い 
    おばけものがたり
    おスだんなと、おスおくさん
    おぼえていろよおおきな木
    おやすみなさいおつきさま

 か  かいじゅうたちのいるところ
    怪盗クロネコ団あらわる
    怪盗クロネコ団のあまい罠
    怪盗紳士
    かさじぞう
    かちかちやま
    からすのパンやさん
    キツネ
    きつねのでんわボックス
    きょうはなんのひ
    木を植えた男
    吟遊詩人ビードルの物語
    くまのこうちょうせんせい
    グリーシ
    クリスマスプディングの冒険
    ぐるんぱのようちえん
    ぐりとぐら
    ゴールディーロックスと3びきのクマ
    ごんぎつね
    こんにちわおてがみです
    

 さ  さむがりやのサンタ
    3匹のくま(トルストイ版)
    三匹のコブタ
    三びきのやぎのがらがらどん
    したきりすずめ
    ジャックと豆の木
    しらゆき べにばら
    シンデレラ 
    せかいいちおいしいスープ
    ゼラルダと人喰い鬼    
    そらいろのたね
    空とぶライオン

 た  タイムマシン
    だるまちゃんとかみなりちゃん
    タンタンのずぼん
    ちいさなもみのき
    手ぶくろを買いに
    とくべつないちにち
    としょかんライオン
    ともだちや
    どんなにきみがすきだかあててごらん

 な  長い冬
    長靴をはいた猫
    長くつ下のピッピ
    南総里見八犬伝
    にじいろのさかな
    二十四の瞳
    二年間の休暇
    人魚姫
    ねことらくん

    
 は はなさかじいさん
    はらぺこあおむし
    ハリー・ポッターと謎のプリンス
    ハリー・ポッターにはまるわけ
    ピーター・パンとトム・ソーヤ
    ピノッキオの冒険
    ブタ飼い王子
    ふたりのロッテ
    フレデリック
    ブレーメンのおんがくたい
    ヘルガの持参金
    ヘンゼルとグレーテル
    ホワイトグース
    ぼく、おかあさんのこと・・・
    ぼく、お月さまとはなしたよ
    星の王子さま
    ポテトスープが大好きな猫

 ま  魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園
    むくどりのゆめ
    ももたろう
    
 や  やっぱりおおかみ 
    やまのこのはこぞう
    夕あかりの国
    ゆきがやんだら
    雪の女王
    雪わたり
    
 ら  ライオンと魔女
    リサのおうち
    ルピナスさん
    ルリユールおじさん 
    ロバのおうじ
    ロバのロバちゃん

 わ  わがままな大男
     わたしのおうち  

~ 洋 書  ~

Charalie and the Chocolate Factory
Gaspard et Lisa au Japon
Gaspard et Lisa au Musee
Guri and Gura
Harry Potter and the Deathly Hallow
Harry Potter and Half Blood Prince
The Lion the Witch and the Wardrobe
Lisa a des Poux
The Twelve Days of Christmas
Le noel du loup
Run Away Bunny

   

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おばけものがたり

 小学校の1年生の時担任の I先生が読み聞かせしてくれたお話です。その時はこの本の一番最初の『タムタムおばけとジムジムおばけ』だけを話してもらいました。湖の底にいるおばけを釣るために餌にシュークリームをつけるというのが面白かったです。その当時シュークリームは高級なお菓子だったようです。でもシュークリームを水の中に入れたらふやけて食べられなくなっちゃうじゃない・・・って子ども心に可笑しかったですね。

 先日図書館で「復刻を望む本」のとして立原えりかのファンタジーランドが取り上げられていました。『タムタムおばけとジムジムおばけ』に続編があったことを初めて知りました。立原えりかの描くおばけは人間にそっくりですが、手が長かったり、足が2メートルくらいあったりして額(原文にはそう書いてありましたが頭といったほうがぴったり合うと思います)にツノがはえています。タムタムとジムジムは足長2本つのおばけというそうです。

 人間に追いやられて隠れながら暮らしているおばけ達がおばけだけの国を作ろうと動き出すことが全編通した主題でタムタムとジムジムのほかに時計台に隠れ住むカチカチおばけとガールフレンドのコチコチおばけ、年老いてほぼ隠遁生活をしている人間の音楽家をひょんなことから友達になったロムロムおばけとリムリムおばけの3組のカップルが中心になります。

 ふたりでなんとか南の島へ逃げることができたタムタムをジムジム。ところがジムジムは自分達だけが幸せに暮らすのは仲間に申し訳ない、みんなをこの島へ連れてこようと提案します。物語の前半は童話を読んでいるというより70年代の少女漫画をよんでいるような気分でした。そして個人的にどうもジムジムおばけが好きになれませんでした。大きな瞳をうるうるさせてすぐ泣くんですよ。どうもやたらと泣く女は苦手なんだけど後半ジムジムはかなり危険な任務に自ら志願して実行します。それで結構見直しましたね。

 このおばけ達はやたらに手足が長いことやつのがはえてる以外はほとんど人間と変わらない姿をしています。誰にも迷惑をかけずにひっそりと暮らしているのです。それなのに人間達はいたずらにおばけを怖がり、あるものは捕らえようとし、あるものは見世物にしようとします。またあるものはおばけに対して間違った情報を流して周りを混乱させます。

 人間は本来ほかの生き物と同じ自然の一部であったはずです。ところがちょっと智恵があったばっかりに自分達本意に地球を動かしてしまってます。ファンタジックなやさしい語り口とは裏腹にかなり痛烈な人間批判が見え隠れしています。


 

 
 

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December 11, 2006

ちいさなもみのき~緑萌える希望

 ほんとに久しぶりに絵本を買ってしまいました。我が家にはもう絵本を読むような子どももいないし、絵本はもっぱら図書館で借りるか本屋で立ち読みをすると決まっていました。たまに自分の勉強用と称して洋書絵本を買うことならまあ、ありますが、日本語の絵本を買ったのは本当に何年ぶりでしょう。しかも衝動買い。

 衝動買いしてしまった要因のひとつは中に歌の楽譜があったこと。主人公の男の子とともだちが歌うキャロルなんですが、最初の歌は音符の読めないわたしでも『もみの木』の歌であることはわかりました。残りのふたつがどんな歌なのか知りたくなってしまったのです。家に帰ってピアノで音をとってみたら、どちらも知らない曲でした。

 もうひとつの要因は作者がマーガレット・ワイズ・ブラウンだったこと。間違いない作家ですよね。そして絵もとっても素敵でした。バーバラ・クルーニーという名前はどこかで聞いたような気がして調べてみたら以前記事を書いた『しらゆき べにばら』のイラストを描いた方でした。

 白、黒、グレーのモノトーンで構成された絵に緑色が上手く調和しています。所々に使われた赤がスパイスのように絵を引き締めています。ほんとうに緑色が効いています。もみの木の緑、木々の緑、原っぱの緑、男の子のベッドやテーブルに使われている緑、そして歌を歌う子ども達がまるで緑色の光に包まれているようです。

 私は好きな色をひとつ選ぶとしたらズバリ緑が好きなんですが、どちらかといえば深緑とかオリーブ・グリーン、モスグリーンなどの暗めの緑が好きなんです。この絵本で使われている緑は明るい黄緑に近いライト・グリーン。もみの木の葉の色までライト・グリーンです。

 森のはずれに1本のちいさな もみの木 がありました。仲間からぽつんと離れて立っていました。ある冬の日ひとりの男の人が もみの木 の根っこを掘り起こし担いで行きました。待っていたのは足の歩けない男の子。 もみの木 は冬中男の子と過ごしました。春になるとお父さんは もみの木 を元の場所に戻しました。次の冬、また もみの木 は男の子の家に運ばれ一緒に冬を過ごしました。そして、3年目の冬、いつまでたっても もみの木 は迎えにきてもらえません。なんだか寂しい気分でいると、あの足の悪かった男の子が友達と一緒に歩いて もみの木 のところまでやってきてくれたのです。

 クリスマスツリーにもみの木が使われるのはモミが常緑樹だからといわれてます。寒い冬にも枯れずに緑を保っている姿は安心と希望を与えてくれます。

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December 04, 2006

映画:ナルニア国物語第一章

 ストーリーは原作にほぼ忠実で背景も動物たちのCGも見ごたえありました。一面の雪景色も雪が溶けて大地が青々と広がってる様はとっても綺麗でした。ただ、ひとつ難をいえばアスランがイマイチ。迫力にも威厳にも乏しく、なんとなく黄昏たライオンでした。

 原作よりも子ども達のキャラがはっきりして物語展開が面白かったように思います。本で読むとベベンシー家の子ども達はとってもいい子なんです。映画でも勿論いい子たちでしたが、兄弟げんかのシーンがところどころ出てきて原作よりも兄弟として自然な感じです。ピーターとエドモンドが反発しあうのは原作に同じですが、意外と目についたのがピーターとスーザンの意見の対立。原作のスーザンはもう少しおとなしい印象ですが、映画のスーザンはかなりしっかりしています。

 ピーターの迷いも印象的です。ナルニアの平和も大事だけど、兄として妹や弟を無事もとの世界へ帰してやろうとする気持ちも共感できますし、いきなり大軍の指揮をとる破目になり躊躇する気持ちも肯けます。そうですよね、もとの世界では制服着て学校は通っているようなほんの子どもなんですから。原作の単純明快熱血少年にはなかった味わいがあってよかったです。

 アスランの処刑シーン(リンチシーンといったほうがいいのかもしれない)は思ったよりも怖くなくてほっとしました。作り手によっては、あのシーンは物凄く怖くグロテスクに表現しちゃうと思います。でも、さすがディズニーですね。伊達に世界中のPTAを見方につけていない。その辺の配慮には敬服しました。

 全体通してとても面白かったけれど、本を読んだ時のあのずしりと重たい感覚は映画ではやっぱり味わえないですね。ナルニアは楽しい物語ですが、楽しいだけじゃないので映画を見て感動した人は、是非本も読んでほしいと願います。

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December 03, 2006

手ぶくろを買いに~出会いの大切さ

 東京で暮らしていると日本中のいたるところから来た人と知り合うことが出来ます。最も多いのが関東一円の人たちで甲信越や東北の人も割りと多いですね。次に多いのが北海道と九州。ところがその間の人たちはガクンと数が減ります。特に中国四国地方の人って数えられるくらいしか知り合いがいないんです。広島の知り合いは二人、岡山は一人。山陰地方にもなると一人も知ってる人がいない県すら存在します。

 もしも、ある県出身の人をたまたま一人だけ知っていたとします。その人がとても気の許せる好感触の人だったらその県に対するイメージはグンと上がることでしょう。反対にその人がいるだけでストレスを感じさせるような人だったら、その県出身の人はみんな嫌な人みたいなイメージを持ってしまうかもしれません。

 雪で手(前脚)がかじかんでしまったキツネの子をおかあさんギツネは単身人間のいる街に行かせます。手ぶくろを買うために・・・かあさんギツネは人間に友達が捕らえられてしまった経験があり、人間をとても怖がっているのです。なのでキツネの子を人間のところに送り込むことには、もう気が気じゃありません。

 キツネの子は街へ出て帽子屋さんを見つけます。教えられたとおり人間の手を出したつもりがキツネの手を出してしまいます。正体を見破った帽子屋さんはそれでもちゃんと手ぶくろを売ってくれました。もしもこの帽子屋さんがおっかないおじさんだったり、意地悪して手ぶくろを売ってくれなかったのなら、キツネの子の人間に対する感情も変わってしまったでしょう。

 帰り道、人間の子どもと子どもを寝かしつけるお母さんの会話を耳にしてキツネの子はますます人間がいいものだと感じます。でも、この会話も帽子屋さんとの出会いが好感触であったからこそ、いいものに感じたのです。帽子屋さんが嫌味なおじさんだったら、むしろ虚しいものに感じたかもしれません。人間関係って最初の印象で天国にも地獄にも変わってしまうものなんですね。

 無事に帰ってきたキツネの子の話を聞いたかあさんギツネ、自分のそれまでの人間の印象とのギャップに動揺します。かあさんギツネのつぶやきがなんとも印象深く余韻を残す終わり方をします。

 人間ってほんとうにいいものなのかしら・・・

 誰もが心の中に光と闇を抱えているのが人間。悪いものだと決めつけてしまうのは寂しいけれど、みんながいい人だと決めてしまうのも、やはり危険です。


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