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June 26, 2006

ごんぎつね~すれ違うやさしさ

 私用でなにかと忙しく、しばらくこちらのブログから遠ざかっていました。書きたいことは相変わらずたくさんあるのにいかんせん時間がない。今年に入ってから日記形式のブログを立ち上げたんですが、そちらのほうは遅いペースながら少しずつ記事が増えてるのに対して、こちらはだいぶ凍結してたみたいです。まあ、日記のような実体験を記録するようなものは多少忙しくても何とか書けるんですが、ブックレビューはそうはいかない。

 私の場合、読み終わったらその時の勢いで書くものは比較的少ない。読み終わってからしばらく醗酵させ熟成させてからことばがわいてくる。醗酵させてる時間も1日の場合もあれば1年くらいかかる時もある。不思議とハリ・ポタみたいな長いストーリーのものは熟成させる時間があまりかからないが、絵本などはすぐ読み終わるぶん熟成に時間が要される。

 昨年を振り返ってみると、どういうわけかウサギのはなしが多かったように思う。たまたまなんだと思うんだけど・・・そしてこの頃、なぜかキツネのはなしに注意がいく。今年はキツネの年になりそうな予感がする。そこで今回は日本で一番有名なキツネのはなしを取上げてみたいと思います。

 「ごんがかわいそう・・・」教室のどこからともなく呟きが聞こえてきました。小学校時代のある日の国語の授業でのことでした。

 兵十のおかあさんが死んだことが自分のせいに思われてしまったごん。ただ無邪気にいたずらしただけなのに、兵十のおかあさんはうなぎが食べれなかったばかりに死んだと思い込み、責任を感じます。実際のところ、もし無事にうなぎが食べられたからといっておかあさんが助かったかどうかはわかりません。

 自分と同じようにひとりぼっちになってしまった兵十に深く同情したことは確かです。なんとか力になりたいという気持ちを贈り物という、とっても単純でストレートなかたちで表しました。日本は昔から贈り物が多い国です。欧米人のように自分の気持ちをことば巧みに相手に伝えるのは、日本人はどうにも不器用でだめみたいです。

 兵十の家にやってきたごんを兵十はまたいたずらをしにきたと思い撃ってしまいます。その時、ごんのなきがらの周りにある栗をみて、兵十ははじめてごんが栗や松茸を届けてくれたことがわかります。

 ちいさかった私は感想文にストレートに「ごんがかわいそう」と書いた記憶があります。先生の赤ペンのコメントは、
 ほんとうにごんはかわいそうですね。でも、兵十さんの気持ちを思うと・・・・

 先生がどのように書いたのかははっきり覚えてません。その時はごんのほうにばかり感情移入してしまい兵十のほうまで気がまわりませんでした。今ならば兵十のどこにも持って行きようもないやるせなさ、わかるような気がします。

 ストーリーは完全に知ってるのに、何回も読んでるのに、いつも最後は目がうるうるしてしまうお話です。

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