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May 23, 2006

ハリー・ポッターと謎のプリンス

  週末を利用して一気に読みました。4話、5話と引きずってきた緊張感が本書の前半ではあまり感じられなかった・・・というかそれに読者が慣れてきていたのかもしれない。ただ、終盤はこのシリーズ中最もキツイ暗さがある。

 原書を読んでから翻訳を読むとどうしても気になってしまうのが登場人物のことば遣い。スネイプの我輩やヴォルデモードの俺様は長年読んでるから慣れてはきたが、最初違和感を感じた。特にヴォルデモードの俺様は海賊や山賊の親分みたいで「闇の帝王」の風格にはそむわない。ルナの「・・・だもン」っていうしゃべり方もなんか軽い。彼女は天然キャラだけどどこかシャープなところがあって、それがちょっと伝わってこない。トンクスの男ことばなんかはドンぴしゃり!

 本書ではハーマイオニーが気のせいか少々女っぽい感じがした。恋の病にかかって気が弱くなっているのか?私は女性活動家みたいな勇ましいハーマイオニーが好きなんだけど・・・前作でハリーを旗印に立ててDAをプロデュースしたり、弱みを握った女性記者に魔法省と対立する記事を書かせたりと大活躍したが、今回は策士ハーマイオニーの影は薄かった。

 日本語で読むと、ことばがより明瞭になってしまうため、(英語で読むとどうしても意味がクリアに理解しきれずぼんやりとしている)物語の暗い部分が突き刺さるように感じられる。湖のシーンは胃液が逆流しそうなほど強烈だった。これまでで一番キツイ。ヴォルデモードの憎憎しさも増した。父親は顔がいいだけの小市民だし、母親も身勝手なところはあるものの最後は魔法で縛り付けた夫を解放するやさしさも持ち合わせている。ただリリーやウィズリー夫人のような母親としての強さは持ち合わせていなかった。そんな、どちらかと言えばおとなし目の両親からなんであんな強烈な息子が出来るのか非常に不思議だ。

 最終話は、おそらくハリーがヴォルデモードをやっつけて終わりになるのだろうけど、どういうふうにやっつけるのか大変見ものだ。しかもハリーや仲間達が無傷で終わるとも思えない。これまで以上の痛手を負いながらのすっきりしないハッピー・エンドに終わるんじゃないかな。


 

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Comments

こんばんは。ぴぐもんさん。
TBありがとうございました。
ヴォルデモートの「俺様」は確かに違和感がありますよね;
リドルが普通の言葉遣いなのに、どこを間違って「俺様」になってしまったのか…。
ルーナは英語ではシャープな感じもあるのですか。
確かに考えてみるとドキッとさせる発言をズバッと言ったり、ただの天然キャラではない感じがありますよね。
ルーナの口調は好きですが語尾のカタカナがちょっとだけいただけません;;

今回のハーマイオニーはおっしゃるとおり少し弱い感じがしました。私もハリーの隣で策士というか参謀的な位置のハーマイオニーが好きなので、少しもったいないなと思いました。
思えばトンクスも少々様子がおかしくて。
なんだか、恋をして弱くなっちゃったみたいで、ちょっと残念でした。
七巻で活躍してくれるなら強い彼女たちを見たいものです。
ではでは、乱文失礼いたしました。

Posted by: 綾里 未優 | May 23, 2006 at 08:55 PM

おひさしぶりです。
TB二つもつけてしまいました。
今回は原書を読んだので、徹夜をせずにすんでいます。しかし、折を見て、通して読もうと思っています。
ヴォルデモート卿は「俺様」でしたね。「我輩」と勘違いしていました。
あと一冊。十分なカタルシスが得られるといいのですが。「王の帰還」ぐらい、えんえんとエピローグをやらないと、ここのところ続いているハリポタの鬱々感はぬぐえない気がします。

Posted by: Iwademo | May 24, 2006 at 12:29 AM

未優さん、こんばんわ
 そうそうハーマイオニーもトンクスも以前の勇ましさを取り戻してほしいですね。でも7話では大丈夫でしょう。ジニーやネビルも「騎士団」あらりからたくましくなってきているし、今回ロンが痛手を負ってちょっぴりおとなになったし、次回の仲間達の成長ぶりも楽しみですね。

Iwademoさん
 コメント&TBありがとうございました。ほんとうに鬱々感増して来ましたね。ハリーたちがホグワーツに入学した頃は、こんなにストーリーが重くなることなんて考えてもみませんでした。
 あんまりさわやかな終わり方はしないような気がするけど、いたずらに冗長な終わり方はしないでほしいですね。 

Posted by: ぴぐもん | May 25, 2006 at 08:43 PM

翻訳感想、同じように感じる部分があり、ほっとしたような気がしてしまいました。5巻のルーナの「もン」という語尾がどうにも違和感があって、原書で読んだときに好感を持っていた彼女が邦訳でなんだか薄っぺらい印象で残念な気がしました。
翻訳版をまだ読んでいませんが、読み終えたらまたあれこれ考えたいことだらけのお話です。(原書再読が終わりません)

Posted by: kmy | May 25, 2006 at 09:19 PM

kmyさん、こんばんわ
 コメントありがとうございます。そうですか、まだ日本語版お読みじゃないのですね。kmyさんはいつもことばをひとつひとつ拾い上げるようにじっくり読んでいるので感心してしまいます。日本語版のレビュー楽しみにしています。

Posted by: ぴぐもん | May 26, 2006 at 08:43 PM

ヴォルデモートが最後はどうなるのか。
単純にやっつけられるという予想をくつがえしてほしい、と期待しているところです(笑)。なにしろ、
「ハリーとヴォルデモートは似ているところがある」
と折に触れて指摘されている点が、どこかできいてこないでしょうかねえ……。

Posted by: とら | May 28, 2006 at 01:52 PM

 ヴォルデモードのことだからそうそう簡単にはやっつけられないでしょうね。でも、やはり「こどものお話」だからヴォルデモードが生き残ってハリーが死ぬというのはありえないと思うんですよ。といってヴォルデモードが悔い改めて善人になるとも思えないし・・・ホームズとモリアーティーみたいな共倒れはもしかしたらあるかなとも思います。
  
 

Posted by: ぴぐもん | May 28, 2006 at 02:19 PM

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