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April 30, 2006

ホワイト・グース~出掛けない子ども

 このブログによく遊びに来てくれる「とある町のちいさな庭から」のnoelさんは、ブログのサブタイトルにしているほどターシャ・チューダーがお好きなようです。実は私はターシャ・チューダーの本をまだ一冊も読んだことがありませんでした。いつか読んでみたいな・・・と思っていたらようやく巡り合いました。

 とがり耳の少年、ロビンはある日の夕暮れ時、白い服を着た不思議な少女と出会います。雁の群れの中に白く光輝いてる少女。少女は雁に乗ってどこかへ行こうとロビンを誘います。ロビンは赤ちゃんが寝てるからとか、お母さんが待ってるからと言って断ります。少女は何度か誘いますが最後はあきらめて行ってしまいます。白く光る雁となって・・・

 うす暗い景色の中に少女と雁だけが明るく光っているとても幻想的な絵本です。ひとりの少年と雁の妖精との束の間の交流・・・・なんですが・・・

 ナルニアのワードローブやアリスのウサギ穴。別の世界への入り口はとても身近なところにあって、しかもそれは子どもだけが通ることのできる特権。お話の中の子ども達は率先して別の世界へ出掛けて行きます。そして最後には一回り大きくなって元の世界へ戻ってきます。

 ところが、このお話のロビンは最初から出掛けません。この子は子どもでありながら、牛飼いという仕事を持ってます。牛達の面倒を見て、お兄さんとして赤ちゃんの面倒も見て、おかあさんのお手伝いも快くやったのでしょうね。自分がいなくなった後、おかあさんや赤ちゃんや牛達が困ることがわかっているんです。心のやさしい、いい子なんですね。

 それと同時にロビンが少女の存在を怖がっているような気がしました。確かに自分がいる世界とは別の世界の人や動物が突如目の前に現れたら、実際には怖いのかもしれません。特にロビンのようにおとなと同じような社会生活の一環を担っている子どもにとっては。

 ロビンに感心すると同時に、ちょっとかわいそうになった不思議な余韻の残るお話です。

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Comments

「ターシャ・テューダーに憧れて」というサブタイトルをつけておきながら、ターシャさんの膨大な数の絵本を、実はあまり知らないんです。
ただ、ターシャさんの「目からうろこ」の生き方や、お庭に、とても感動し、影響されているんですが。
そして、ターシャさん自身は、「子供」と「大人」あるいは「現実」と「空想」の区別がないんではないかと思える事があるんです。そこが、不思議な魅力でして。
そう思うと、読んでもいないんですが、ぴぐもんさんが、このお話を不思議だと思われるのが、解るような気がします。
一度読んでみますね。

Posted by: noel | April 30, 2006 at 10:39 PM

 そうでしたか。noelさんはご存知だとばかり思ってました。ブック・レビューによるとこの本はターシャ・テューダーらしくない本なんだそうです。他の本を読んでいないので何とも言えないので、機械があれば他の本も是非読んでみたいと思います。

Posted by: ぴぐもん | May 01, 2006 at 08:56 PM

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