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January 09, 2006

だるまちゃんとかみなりちゃん~絵が物語る面白さ

 今から約15年前、夫のたっての願いで一戸建てのマイホームを購入する事ができました。場所は千葉、茨城、埼玉3県の県境。今なら格安の値段で買えそうですが、当時はまだバブルもはじける前だったので、それ相当の経済負担はありました。都心から電車で2時間近くもかかるところなので、友達もなかなか遊びにきてはくれません。半年もたった頃、OL時代の友人2人がやっと遊びにきてくれました。駅に迎えに行くなり「スゴイところだね」と見渡す田園風景に感心したので、「田舎を思い出すでしょう」と問い掛けると「ウチの田舎の方がずっと開けてる」ですって。

 彼女達が当時2歳になる娘への手土産に持ってきてくれた絵本の一冊がこの「だるまちゃんとかみなりちゃん」でした。子どもに読んであげてるはずが、おとな3人が絵本見ながらゲラゲラ笑って過ごす始末。まず、絵が面白い。かみなりの国ではビルにも信号にもなんでもかんでもツノが2本ついていて、それを見て笑い、お皿にもコップにもツノがついてるとツノを発見するたびに笑いあっていました。

 かみなりちゃんがどうして雲の上から地上へ落ちてきたのか、お父さんのかみなりどんがどうしてかみなりちゃんの居場所を突き止めたのか、文章で詳しく書いてあるわけではないのに絵を見ているだけでわかってしまう。この本は多くの部分絵によって語られています。それからだるまちゃんかみなりちゃんの表情。困った顔、怒った顔、楽しそうな顔、絵を見ているだけで2人がどんな気持ちか文章に書かれていなくてもわかってしまう。

 絵本は絵があるから絵本なんですね。絵本における絵の重要性を感じさせられた一冊です。

 

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Comments

わたしは、この作者 かこさとし さんの講演会に行ったことがあります。
そして、ますます ファンになってしまいました。
子供を見る目が、とても あたたかいのです。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」「とこちゃんはどこ」なども
子供のかわいさが 引き立っていて 好きです。

Posted by: noel | January 10, 2006 at 11:30 PM

noelさん
 私は最初 加古里子さんって かこさとこ さんっていう女の人だと思ってました。温厚そうなおじいちゃんなんですよね。
 うちの子供たちもてんぐちゃんやうさぎちゃんも好きでよく読みましたね。

Posted by: ぴぐもん | January 11, 2006 at 12:53 PM

こんにちは。
私も加古さんの絵本大好きです。科学者の目を持ちながら、あくまでも子どもの目線に立った作品を作られる方ですね。小学校低学年の時にこんな先生が担任だったら、コドモ達は幸せですね…。

小さい頃「かみなりちゃん」を読んですごく印象的だったのは、最後の方のかみなりちゃん家の食事シーンです。すごいご馳走でしたよね。出版当時の、家電がどんどん一般家庭に普及していったあの時代にこの絵本に出会った子ども達はきっと、豊かな未来社会に明るい希望と憧れを抱いたことと思います。

だるまちゃんシリーズは「子どもの自ら育つ力を伸ばす子育てとは?」という意味で親にとっては教科書のような傑作揃いですね。私もいつかレビューを書こうと思っています。

遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。

Posted by: えほんうるふ | January 15, 2006 at 02:23 AM

えほんうるふさん こんにちわ
 言われてみれば確かにすごいご馳走ですね。私がこの絵本に出会ったのはバブル期でしかも大人だったから、そういった何気ない事も見落としちゃったんですね。しかも、かみなりの国だけあって高いビルに2本のツノみたいに電気がきらめいて、くもの自動車が空を飛び・・・明るい未来社会ですね。
 小さい頃にこの絵本に出会ってる分、えほんうるふさんのほうが得してますね。読んでもらった本も含めて、読書は子ども時代のほうが吸収するものも大きいし、必ずしも良書でなくても何かしら糧になってると思います。
 「子どもの自ら育つ力を伸ばす」いい言葉ですね。これからその辺を考えながら かこさんの絵本を読んでみようと思います。また新しい発見が出来そうです。
 こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

Posted by: ぴぐもん | January 15, 2006 at 11:50 PM

ぴぐもんさん、お邪魔しています。
どれも面白く読ませてもらいました。
中でも、雪わたり、雪の女王、てぶくろが
興味深かったです。
そして、だるまちゃんとかみなりちゃんは
特に・・・
と言うのはラボとヒューマンアカデミーが合同でしている仕事(小学校英語講師育成講座)の講師をさせてもらっているのですが、TAがこのだるまちゃんとかみなりちゃんなんですよ!38年前に発刊されたこの絵本
ちっとも古くなく、深いですよ。喜怒哀楽がはっきりしていて、異文化体験でき、等身大で物語を楽しめるんですよ。毎回受講生の皆さん子どもの目の高さに上がってTAの発表を見せ合い、楽しんで帰られ、たった2日間の講座なんですが、キャンプ後の子ども達のようです。ことばは本当に少ないのですが絵本が全てを物語っているんですよね。絵本って愉しいですね!

Posted by: かっぱ | February 16, 2006 at 07:32 PM

かっぱさん、ぴぐもんの書斎へようこそ
 雪渡り、てぶくろ、だるまちゃん、どれもラボ・ライブラリーに入ってますね。TA懐かしいです。私がスクールに通ってた時、ちょうど「セロ弾きのゴーシュ」が発刊されて、卒業TAにゴーシュをやりました。ちなみに私はカッコーでした。
 だるまちゃんも紙で作った傘を投げたり、新聞紙をプールの底に見立てて飛び込んだり、小さい子たちとよく遊びました。ホンと絵本って愉しいです。
 過去ログへのコメントもいつでも受け付けます。また遊びにいらしてください。

Posted by: ぴぐもん | February 16, 2006 at 11:33 PM

早速返信どうもです^0^
ゴーシュですか!新しいですね。
ラボの「ヒマラヤの笛」のお陰でインド舞踊にも出会えたし私の人生のほとんどがラボ関連ですね。我が子達もそうで嫁、孫(まだお腹の中ですが)までラボ漬けになりそうです。これからもお邪魔します。よろしく♪

Posted by: かっぱ | February 17, 2006 at 02:00 PM

かっぱさん
 お孫さん生まれるんですね。おめでとうございます。膝の上に乗るようになったら読んであげたい絵本、今からあれこれ考えてるんじゃないですか?楽しみですね。 

Posted by: ぴぐもん | February 19, 2006 at 07:30 PM

こんばんは、えほんうるふです。ようやくこの絵本のレビューを書き上げたのでお知らせしようと思って来たのですが、その後に書き込まれたコメントを読んでちょっと「ムフフ」と思ってしまいました。
実は私、以前ラボのテューターをやっていたんですよ。色々と事情があってごく短期間で教室は閉めてしまったんですが、本当に良い経験でした。研修中にライブラリーの絵本をいろいろな角度から考えるクセがついて、今思えば「えほんうるふ」はあの頃誕生したのかも知れません…。ラボの教材のクオリティの高さは本当に素晴らしくて、我が家の本棚においても別格の扱いです(笑)

Posted by: えほんうるふ | March 14, 2006 at 10:42 PM

おったまげーー!!
 まさか、まさか えほんうるふさんが元ラボ・テューターだったとは夢にも思いませんでした。絵本をこよなく愛してる人だとは思いましたが、私の思っていたラボのイメージとは一致しなかったです。
 私のイメージするラボって、ま、会員同士が憩ういいところなんですが、いまだに70年代の青春ドラマのノリを引きずってるところがあって、ちょっと古い・・っていうか、ややついていけない感があったのも事実です。
 反対にえほんうるふさんは斬新というか今時の人って気がしてたので、ホントたまげました。
 でもまた、違う角度でオトナノトモを読める気がします。これからも楽しみにしてます。 

Posted by: ぴぐもん | March 17, 2006 at 12:59 PM

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