« November 2005 | Main | January 2006 »

December 30, 2005

かさじぞう~寒さが身にしみる話

 年の瀬も迫ると思い出してしまうお話がふたつ。アンデルセンの「マッチ売りの少女」と「かさじぞう」。特にかさじぞうは時代こそ違え、クリスマスも終わったほんとうの年の瀬、正月を目前にした慌しい日本を彷彿させます。

 細木和子氏の占いによると私は土星人。10月から12月は大殺界月であまり上手く事が運ばない月らしいのです。確かに二桁の月って他と比べてあまりハッピーな気分になれません。特に12月。忘年会でバカ騒ぎしたあとの酔いとともに醒めていくあの虚脱感。日本中があたふたあたふた落ち着きがなくなる様。どうも苦手です。何より‘おしまい’というムードが前向きな(?)私には絶えられないものがあります。

 反対に好きな月は1月と4月。同じ寒い季節でも1月には さあ、はじめるぞ!っていうムードが漂っていて、すがすがしい気分になれます。それから4月の新芽のほころぶ季節もいいですね。真新しい制服に身を包んだ中高生や着慣れないスーツをぎこちなく着込んだ新入社員。重そうにランドセルを担ぐぴかぴかの一年生。希望を感じます。

 さて、年の瀬を迎えたのに餅もない・・・というのでおばあさんがせっせと蓑笠を作ります。それを持っておじいさんは町に売りに行くのですが、誰も皆忙しそうで笠なんか見向きもされません。まったく売らなかった蓑笠を担いで家に帰る途中、雪が降ってきました。道端のおじぞうさんたちがなんとも寒そうに思ったおじいさん、ひとつずつ頭に笠を被せてあげました。その夜、ドシンと大きな音がして外へ出てみたおじいさんとおばあさん、そこには山のように積まれたお米だの野菜だの。ふたりはおじぞうさんがくださったと感謝しました。

 特に文章で詳細に書いてある訳じゃないのに、忙しそうに人々が行き交う師走の様子や身が縮むような寒さが伝わってきます。お腹をすかせた ろくに食べてもいないので、おじいさんとおばあさん、床の中でもさぞさぞ寒かった事でしょう。しかも隙間風が差し込むオンボロの家にせんべい布団に包まっただけ。寒さが伝わってくる話です。

 「まんが日本昔話」では一番最後の小さいおじぞうさんに笠が足りなくなって、おじいさんは自分の手ぬぐいを被せてあげます。食料を届けたあと、おじぞうさんたちがドスンドスンと音をたてて雪道を帰っていくのですが、例の小さいおじぞうさんが途中で転んであわててみんなの後を追うシーンがあります。アニメならではの脚色ですがなかなかユーモラスでほほえましく印象に残ってます。
 
 

| | Comments (2) | TrackBack (0)

December 26, 2005

le noel du loup(狼のクリスマス・プレゼント)

 le_noel_du_loup

 フランス語の専門書店、飯田橋の欧明社で購入しました。絵の感じがなんともユーモラスなのとなんとなく読めそうな文章だったので買ってみたのですが、読んでみていったいどのように理解したらいいのか途方にくれてしまいました。あらすじはこんな風です。

 雪が降ってるクリスマスの夜、お腹をすかせた狼が食べ物を求めてさまよい歩いてました。狼はもう何日も食べていなーのでおそろしくお腹がぺこぺこでした。

 すると枯れ枝の上に小鳥が止まっていました。狼はパクリと一口で食べてしまいました。でも小鳥だけでは空腹は直りません。

 しばらく歩くと雪の中で枯れ木を食べている羊を見つけました。狼は二口でパクリパクリと食べてしまいました。でも、狼の空腹は直りません。

 またしばらく行くと今度は子豚を見つけました。ところが身の危険を察した子豚は逃げ出しました。必死に追う狼。子豚は狼の入れない穴の中に逃げ隠れます。狼は穴の外で待ち伏せしますが、寒さで凍えて今にも死にそうになります。かわいそうに思った子豚は狼のために焚き火を作り暖めてあげます。おかげで狼は助かり子豚にお礼を言います。その直後、パクリパクリパクリと三口で子豚を平らげてしまいます。

 そのあと、狼は激しい腹痛に教われ死んでしまいます。狼の魂は天に上って行きました。そこには小鳥と羊と子豚がいました。みんなで大きなモミの木を囲んでクリスマスを祝いました。

 ベルギーの出版社から出ている本で、どうやら民話のようです。それにしても、なんだかすっきりしない話です。特に子豚のシーン。助けてくれた恩人をその場で食べちゃうとはどういうこと?

 天は人(生物)の上に人(生物)を創らず・・・という訳で喰ったものも喰われたものもあの世ではみんな同じだよ。といいたかったのかしら?
 
 あるいは原題の「狼のクリスマス・プレゼント」という意味から察して、マッチ売りの少女の3本のマッチみたいに死に際の狼に幸福な幻想を(おそらく神様が)プレゼントしてくれたのか?そもそも雪の中に小鳥や羊がいる事の方が不自然なわけで・・・・

 いずれどこかでこの話に出会ったら追求してみようと思います、。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

December 25, 2005

クリスマス・プディングの冒険

pudding


 子どものために書かれた本ではないけれど、小学校高学年の子ならじゅうぶん楽しめる話です。

 クリスマスをとある豪邸で過ごす事になったエルキュール・ポアロ。有名な探偵を歓迎するために、その家の子ども達は゜殺人゜を演出します。ところが芝居だったはずの殺人が本物の殺人に・・・

 アガサ・クリスティーの短編は割にさらっと読めて、長編のような読み応えはないもののティータイムのスコーンみたいに気楽に楽しめるものばかりです。

 この話にでてくるクリスマス・プディング。生地の中にドライ・フルーツを入れて焼いたシンプルなパウンド・ケーキみたいなお菓子です。その中に更に余計なものを入れて・・・・切り分けた時出てきたもので、ちょっとした占いが楽しめるんです。
 ボタンが出てきたら一生独身。指輪が出てきたら良縁に恵まれる。指貫が出てきたら一生お金に困らない。
なんて具合に。

 さすがにボタンや指輪を入れて焼いた事はありませんが、我が家ではいつのまにかクリスマスの定番になってしまいました。小さい頃はドライ・フルーツの味になじめなかった子ども達も今ではあたりまえのように食べてます。
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2005

RUNAWAY BUNNY

 “GOOD NIGHT MOON”と同じMargaret Wise Brown と Clement Hurd のコンビによる絵本です。日本語を読んでから記事を書こうと思っていたのですが、なかなか日本語版に出会えません。まあ、難しい英語じゃないので洋書だけでもじゅうぶん楽しめますが・・・

 子ウサギは遠くへ行ってしまいたくなります。おかあさんのいないところへ・・・すかさずおかあさんウサギは
 「それならママは追いかけるわ、あなたは私の可愛い坊やだから」ときりかえします。
すると子ウサギは「ママが追いかけてくるなら、ボクはおさかなになって遠くへ泳いで行っちゃうよ」
今度はおかあさんウサギが「あなたがおさかなになるなら、ママは漁師になってあなたを捕まえるわ」

         じゃあ、ボクは・・・・・になる
         だったらママは・・・・になる

 母と子の他愛もないことばの掛け合いです。ある時期の子どもって、しつこいくらいにこんなことばのやり取りを求めてきます。疲れている時これをやられると結構しんどいですが、余裕のある時はなんとも楽しいひとときになります。あくまでも仮定なので、どんなふうにも話がふくらみます。

 この絵本はカラーとモノクロの絵が交互に繰り返されます。モノクロは子ウサギとおかあさんウサギのことばを表現したもの。そしてカラーはそれを更に色付けして発展させたもの。カラーの頁のありえない想像の絵がなんとも面白く、またどこか母の執念を感じさせもします。

 “GOODNIGHT MOON”の精密な絵と比べるとやや荒削りな感じです。ただ、さすがに同じ作者だけあって空想中の家の壁に“GOODNIGHT MOON”と同じ絵が飾られています。また、“GOODNIGHT MOON”の家の壁にも、この話のサカナになった子ウサギと漁師になったおかあさんウサギの絵が飾られています。


 
 

| | Comments (2) | TrackBack (0)

December 04, 2005

長い冬~アルマンゾのパンケーキ

 ご存知ローラ・インガルス・ワイルダーの「大草原の小さな家」シリーズの4冊目です。この頃ローラと妹のキャリーは学校に通い、ドラマには出てこない4番目の妹グレースが登場し、メアリーは既に失明しています。

 ある年のとても厳しい冬の様子を全編にわたって描かれたいるのですが、何故か印象に残るエピソードが2つ。
1つ目はローラの家でかあさんがカブのパイを焼いた話。カブのパイなんてきいたこともないと不思議がるローラにかあさんは、私もはじめて焼いたから食べてみなけりゃわからないと切り返す場面。カブのパイって一体どんな味がするんだろうと思い巡らせました。あんまり美味しそうな印象はしません。ただ肉だのカボチャだのパイに入れる材料がなくてカブを使わざるをえなかった、その年の厳しさは伝わってきます。

 もうひとつが後にローラの夫となるアルマンゾとその兄のウィリアムがストーブ(コンロ)の上にフライパンをのせ、1日中パンケーキを食べている場面。何故四六時中パンケーキを食べるのかというと、皿や鍋を洗うのが面倒だから・・・なんとも男の子らしい微笑ましいエピソード。
 
 アルマンゾは農業に従事し、ウィリアムは雑穀商を営んでいる。ふたりがパンケーキを食べているのは店兼住居の中。この家は壁が二重構造になっていて壁と壁の間に小麦粉を隠し持っていた。後にその小麦粉が街を飢饉から救うことになるのだか・・・・

 子どものころ、母が勤めから帰ってくるのを待ちきれずに、よくホットケーキを焼いて食べたものでした。コンロで作る時もあれば、石油ストーブの上にフライパンをのせて、ゆっくり時間をかけて焼いた時もありました。今でも日曜日の朝食にパンケーキを食べる事がよくあります。簡単に作れて、主食にもおやつにもなるパンケーキは子の代、孫の代になっても食べつづけられるでしょう。ローラの時代から数えて100年以上廃れなかったように。

 インガルス家の話は、どの本もみな、おとなが忙しく働く春から秋よりも暖炉の周りに家族が集まる冬の情景が印象的です。
  

| | Comments (1) | TrackBack (0)

The Twelve Days of Cristmas

 12月に入るや否や街はクリスマス・モード。ツリーや電飾の飾りがチカチカ点灯し、あちこちからクリスマス・ソングが流れてきます。個人的に好きなナンバーはマイケル・ジャクソンの「ママがサンタにキスをした」と「サンタが町にやってきた」毎年あの2曲を聞くと、彼はやっぱり天才だなと思います。少なくとも子どもの頃は。

 今回紹介する絵本は、定番クリスマス・ソング「クリスマスの12日」をそのまま絵本にしたもの。

 クリスマスの1日目、恋人が私にくれた、洋ナシの木にとまるヤマウズラ

 クリスマスの2日目、恋人が私にくれた、2羽のキジバトと
                         洋ナシの木にとまるヤマウズラ

 クリスマスの3日目、恋人が私にくれた、3羽のフランス雌鳥と
                         2羽のキジバトと
                         洋ナシの木にとまるヤマウズラ

 という具合に日を追う毎に新しいプレゼントが追加され、しまもプレゼントの数が増えていきます。クリスマスの定番ゲームに、この歌の替え歌を1日ずつ作っていく記憶力ゲームがあります。

 「クリスマスの12日」の絵本は数多く存在しますが、私の一押しはDorothee Duntzeさんの手によるもの。絵が素敵なのも勿論ですが、頁をめくる毎に大きく真中に新しいプレゼント、背景の中にそれまでに贈られたプレゼントが潜んでいてそれを「ウォーリーを探せ」みたいに見つけ出すのがすごく面白い!

 背景に隠れている絵もそのままの形で描かれている場合もあれば、象徴するものに代わってる場合もあります。ヤマウズラは洋ナシ、キジバトはバラの花という風に・・・・いつまででも眺めていられる絵本です。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

« November 2005 | Main | January 2006 »