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November 07, 2005

むくどりのゆめ~残された父子の在り方

 「ヒヨだあ!」息子が嬉しそうに立ち上がりました。窓の外を見ると2羽のヒヨドリが電線に止まって我が家の窓を覗き込んでいるのです。一昨年、夫が何気なく投げてやったパンくずに味をしめて、度々ヒヨドリがやってくるようになりました。自転車小屋の屋根の上にパンくずや米粒を少し撒いておくのが慣わしになってしまいました。時には夫が投げたパンくずを空中キャッチしたといって父子で喜ぶありさま。野生の鳥に獲付けすることはなんとなく気が引けるのですが、無邪気に喜ぶ さそり座の男 ふたりを見ているとま、いいかって気になってしまいます。息子はその鳥をヒヨと名づけて親しみました。

 昨年はもう1羽別のヒヨドリがくるようになりました。2羽は仲間というわけじゃなく、ヒヨ2号が獲物を狙おうと飛んでくるとヒヨ1号が「オレの縄張りだぞ」といわんばかりに邪魔をしたりして、むしろライバルのようです。でもなぜかいつも一緒にやって来ます。今年もまた2羽揃ってお出ましです。

 小学校3年生の時の担任のK先生はとても国語に力を入れていて、週1回は必ず作文、週1回は必ず読書の時間がありました。それとは別にガリ版で刷った手作りの絵本を配布してくれたりもしました。他にどんな話があったのかすっかり忘れてしまったのですが、「むくどりのゆめ」だけは何故か覚えています。ピンク色の画用紙を表紙に使って、中はガリ版刷りのわら半紙を袋折にしてホッチキスで留めたシンプルなものでした。

 久し振りにこの本を読んでみて、ジャック・ドワイヨンの「ポネット」を思い出してしまいました。交通事故で母親を失った4歳のポネットは、母の死をなかなか理解できません。父親や周りのおとな達は真正面からおかあさんはもういない事を幼い子どもに説いて聞かせます。このおとうさんの態度は子どもだからと決して侮らない誠実さが感じられます。

 正反対にむくどりのおとうさんは、おかあさんがいなくなった事について何も語りません。むくどりの子どもはおかあさんのいない日々を過ごすうちに、おかあさんはもう死んでしまったんじゃないかと自然に感じるようになります。
このおとうさんからは幼い子どもを動揺させてはいけないという思いやりが感じられます。

 事実をありのままに伝える父親と子どもが自然と受け止められるようになるまで多くを語らない父親。どちらがいいとかいう事でなく、西洋と東洋の感覚の見事なまでの対比ですね。

 余談ではありますが、いもとようこさんの絵は可愛らしいのだけど、可愛すぎるというか、まるでおもちゃ屋に陳列されたお人形やぬいぐるみのようで個人的にイマイチなじめません。

       
                 


 

 

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Comments

ぴぐもんさん,こちらこそお久しぶりです。え〜旦那さん,さそり座なんですね。ちなみに私もさそり座です・・・だからどうしたって言われそうですが・・・「死」に向き合わざるを得なくなった子どもたちの姿を描いた本や映画,多々ありますね。感情移入してしまうので,あまり接しないようにしていますが。ただ,毎日のように交通事故や殺人事件で多くの人が亡くなり,残された家族,子どもたちの苦悩は想像を絶するものがあるに違いありません。最近は,そういうニュースを見ると,日々,生きている自らの境遇を感謝するよりも,そういった人たちの心中を想像することのほうが多くなったような気がします。歳をとったから,子の親になったから定かではありませんが・・・。

Posted by: kahou | November 14, 2005 at 01:01 PM

 kahouさんもさそり座なんですね。なんかわかるような気がします。
 幸い我が家は子供たちがもう、もののわかる年なのでこういう苦労はないと思いますが、もしも子どもが小さいうちに母親を亡くすようなことがあったら、うちの夫だったら「ママはもういないんだ」と子どもたちに告げたでしょうね。ポネットのおとうさんのように子どもを尊重して・・・というより自分の寂しさや不安を和らげるために子どもに話すんじゃないかと。
私の父親も同じだったと思います。どうも昨今はむくどりのお父さんみたいな自分ひとりで悲しみを受け止めるお父さんは少ないんじゃないでしょうかね。
 ちなみに、もし我が家が母子家庭になったら、やっぱり私も子どもたちに語って自分の不安を和らげちゃうと思います。

Posted by: ぴぐもん | November 18, 2005 at 12:25 PM

ぴぐもんさま
はじめて書き込みさせていただきます。現実の世界もきらいではありませんが、嘘の世界も大好きなKa-3です。
とっても素敵なブログですね。これまでの記事もさっと読ませていただきましたが、どれもとても興味をそそられました。また後でじっくり読ませていただきたいと思います。また慢性的寝不足が更に悪化しそうです。
私も児童文学は好きですが、ぴぐもんさんも本当にお好きみたいですね。是非これから勉強させてください。
いもとようこさんは作品としては好きですが、おっしゃるとおり、私も彼女の絵は、いまいちです。ちょっと可愛すぎますよね。
ラボテューターのお仕事にもちょっと興味をそそられました。私も外国の絵本を子ども達と一緒に読んでいきたいなぁ~という夢がありますから。
またお邪魔します。


Posted by: ka-3 | November 20, 2005 at 04:53 PM

ka-3様
 コメント有難うございます。こちらの方こそいろいろ勉強させていただこうと思ってます。よろしくお願いします。
 ka-3さんは翻訳を目標にされているんですね。実は私も密かな願望としていつの日か翻訳に携わってみたいのですが・・・願望で終わってしまうかもしれません。
 

Posted by: ぴぐもん | November 21, 2005 at 10:50 PM

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