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August 15, 2005

ぐるんぱのようちえん~生きる厳しさと希望が見える一冊

 昨日、シゲノさんという学生さんのブログに遊びに行ったら、重松清の「ナイフ」はのレビューが書いてありました。ーー”いじめられる側にも責任はある”という人とは私は一生友達になれないーーという強い主張に触発されてコメントを寄せてしまったのですが、送った後すこし後悔しました。若い人が純粋な正義感ゆえに書いたことばに水を差すようで、私ってなんて大人気ないんでしょう。

 私は人間というのは万民共通にやさしい面といじわるな面を持ち合わせているのだと思います。周囲の状況でやさしくも、いじわるにもなるのですよ。平社員の時、とても穏やかないい人だった人が、役職者になった途端部下をいびったり、しごいたりすることは通常よくあることです。人間がこの世に存在する限り、いじめはなくならないでしょう。
 
 いじめられる側にも責任がある・・・というのも一理あると思います。いじめられる子というのは弱い部分を出してしまったり、他人に不快感を与えてしまったりと、まあ、不器用なんですよね。私が小さい頃はとても弱虫で、ぶたれるとすぐ泣いてしまう。泣くから面白くなって、またいじめる・・・という悪循環が働いていました。すぐ泣く子って端から見るとやはりムカツクところはありますよ。

 小学校3年生の時がピークだったんですが、その後学年が進むにつれて暴力をふるわれるようなことはなくなりました。ただ、一旦いじめられっ子のレッテルを貼られるとそれはなかなか抜けない。どこかであの人は自分達とは別物、1ランク下の人間って色眼鏡で見られました。それは義務教育終わるまで何気についてまわってきました。

 ぐるんぱのように過去のしがらみを経つのもひとつの解決策ですね。私の場合、遠くの高校へ通ったことによって、そのしがらみから解放されてのびのび過ごせました。不思議とその後、過去に似たような経験をもった人と何人か知り合いになりましたが、結構明るくてバイタリティあふれた人が多いんですよ。小さいときにいじめられる経験をしちゃった方が後々楽なのかもしれない。子ども時代平穏無事に過ごし、大人になってからいじめにあうほうが大変でしょうから。

 さて、「ぐるんぱのようちえん」は読むより先によりラボのCDで聞きました。ぐるんぱがさみしいよーと洩らす場面は何か重たいものがのしかかってくるようで辛くなりました。それでも後半の一所懸命頑張るぐるんぱの姿は希望を与えてくれます。

 ぐるんぱは何故ゾウの仲間から嫌われたか?臭くて汚かったからです。おそらく不精者だったのでしょう。周囲に不快感を与えてしまうものは、どうしても尻尾をつかまれやすいんですよ。

 ぐるんぱを追い出す時、体をきれいに洗ってくれたことはゾウ達からのせめてものはなむけですね。人間社会にやってきたぐるんぱは特に嫌われている様子はありません。きっと自分でも気をつけて清潔を保ってたのでしょう。そうでなきゃお菓子工場でなんか働けないですもの。

 なかなか上手くいかないもので、ぐるんぱが作り出すクッキーもお皿も靴も自動車もピアノも、み~んな大きすぎて使い物にならないと、次々とクビになってしまいます。それでも負けずに頑張るぐるんぱ。最後には子だくさんのおかあさんの子ども達の面倒を見ることになります。みんなでクッキーを食べ、大きなお皿や靴や自動車は子ども達の遊具になり、大きなピアノを伴奏してぐるんぱが歌う・・・

  マイナスをプラスに変えた素敵なハッピー・エンドです。希望を与えてくれると同時に、やはりズシリと重たい本ですね。



     

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Comments

わたしは、幼児の頃、この本に出会いました。
次々に、「大きすぎて役に立たない」といわれて、せっかくはりきっていたぐるんぱが、だんだんしょんぼりしていくところが哀しくて・・・
でも、最後の場面の、大きなクッキーもお皿のプールも靴のおうちも楽しそうだったけれど、自分が滑り台になって、こどもがいっぱい集まってくるのが、とてもうれしかった事をおぼえています。
自分が人の役に立てることのうれしさが、今になってとてもよくわかります。

”I'm so lonely, so lonely." から
”I'm happy,very very happy." になって よかった!

Posted by: noel | August 16, 2005 at 01:51 AM

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